エコノミークラス症候群は、食事や水分を十分に取らない状態で、飛行機や車などの狭い座席に長時間座っていて足を動かさないと、血行不良が起こり血液が固まりやすくなります。
その結果、血の固まり(血栓)が血管の中を流れ、肺に詰まって肺塞栓などを誘発する恐れがあります。
名称はエコノミークラスと付けられていますが、飛行機では、エコノミークラスだけでなく、ビジネスクラスやファーストクラスでも起こります。
また、最近では大雨や地震などの災害に伴う避難生活の長期化や車中泊、自宅でのテレワーク状況下においても問題視されるようになってきました。
一旦発症すると、症状として、呼吸困難、胸痛、冷汗、動悸、失神などが挙げられますが、肺に到達した血の塊の大きさや、詰まった血管の大きさにより重症度はさまざまです。大きな血栓が肺の根元の血管がふさぐと心肺停止となる可能性もある病気ですので、すぐさま受診してください。
長時間同じ姿勢を取り続ける状況となった場合には、次のような予防のための取り組みを実行してみてください。
(1) ときどき、軽い体操やストレッチ運動を行う
(2) 十分にこまめに水分を取る
(3) アルコールを控える。できれば禁煙する
(4) ゆったりとした服装をし、ベルトをきつく締めない
(5) かかとの上げ下ろし運動をしたりふくらはぎを軽くもんだりする
(6) 眠るときは足をあげる
などです。
長時間にわたるデスクワークでも発症する可能性があるとされていますので、職場や自宅でのテレワークの場合でも適宜休憩を取り、軽い体操やストレッチ、マッサージを行うようにしましょう。
狭い場所でのマッサージ
飛行機等でスペースを確保できない場合は、脚だけでもこまめに動かすようにしましょう。
避難所、テレワークなどスペースがある場合のストレッチ
同じ姿勢を続けて滞留している身体全体の血行を促進させるために、まず上半身を伸ばし回転させた後、ゆっくりを下半身を屈伸させたりします。
また、その場での足踏みも有効です。
上半身からはじめ、下半身の屈伸は念入りに行い、血行を良くしましょう!