呼吸法の種類
私たちは普段の生活においては、無意識のうちに「胸式呼吸」を行っていますが、就寝中には「腹式呼吸」を行っていると言われています。
一方でエクササイズやトレーニングを行う際には、競技の種類によって様々な呼吸法が推奨されています。
胸式呼吸
「胸式呼吸」は、胸の周辺の肋間筋を動かし肋骨を横に広げることで行う呼吸法です。
外観上は深く息を吸うとき、肩が大きく上がるのが特徴です。
肋骨はからだの上方に動きやすいため、胸腔が広がり空気を肺に取り込みやすい状態になります。
つまり胸式呼吸は息を吸うことに向いており、深呼吸をするのに適しています。
腹式呼吸
「腹式呼吸」は、横隔膜の動きを重点においた呼吸法です。
横隔膜とは、肺の底にある伸縮性の高い筋肉の膜で、横隔膜の上下の動きを利用して横隔膜を下げて肺に空気を取り入れたり、上げて吐き出したりする呼吸法です。
外観上はお腹が膨らんだりへこんだりします。
「腹式呼吸」は、横隔膜を使うため意識しなければ、なかなかうまくできませんが、慣れてくると横隔膜の動きの範囲が広がり、肺への酸素供給と吐き出す力が自然に増加します。
訓練次第では、より大きく、より強く呼吸を行えることが腹式呼吸の特徴です。
ヨーガにおける呼吸
ヨーガの流派やレッスンの内容により、用いられる呼吸法の種類が異なります。
左右の鼻の穴を交互に手で押さえ片方ずつ呼吸を行う「片鼻呼吸」をはじめ、喉の奥を細くさせ、呼吸とともに音が生じるように力強く呼吸を繰り返す「ウジャイ呼吸」。
リズミカルに鼻から力強く息を吐く「カパラバティ」などがあります。
口呼吸、鼻呼吸
鼻呼吸は、鼻の入口にある鼻毛を天然のフィルターとして、外から侵入しようとする花粉やホコリなどをブロックし、鼻腔粘膜では、線毛の上皮細胞と粘液の分泌によってウイルスや細菌などのさらに小さな異物を絡め取りますので、普賢の生活や軽度のエクササイズにおいては鼻呼吸が一般的です。
ただし、鼻腔と口腔の大きさでいうと、口呼吸の方が多くを取り込めますので、ランニング等で多くの酸素が必要になった場合は鼻呼吸から口呼吸へ転換することもあります。
おススメ呼吸法
概ね次のとおりに区分できるかと思います。
・日常生活:鼻呼吸・胸式呼吸(多くの場合、腹式呼吸が推奨)
・エクササイズ・トレーニング:鼻呼吸・腹式呼吸
・ピラティス:鼻呼吸・ラテラル呼吸(胸式呼吸+腹式呼吸)
・ランニング:口呼吸・腹式呼吸
多くの場合、腹式呼吸が推奨されていますので、時間を見つけてトレーニングしてみましょう。(一番楽な、ながらトレーニングです。)
リラックスし仰向けに寝て、お腹に軽く手を当てて、息を吸いながらお腹がふくらみ、息を吐きながらお腹がへこむように意識します。
それができたならば、少しずつ力を入れた呼吸になるようにします。どんな姿勢の時も腹式呼吸ができるように習慣づけていきます。
呼吸における大前提
普段の生活からスポーツ面において、呼吸方法を使い分けることになりますが、大前提としては、
呼吸を止めない
筋力トレーニングなどは無酸素性運動として紹介しています。
この無酸素性運動とは習字に高パワーを要求される場面(サッカーのシュートやテニスのサービス、砲丸投げや重量挙げなど)では無酸素性エネルギー代謝(リン酸系、乳酸系)によって合成されたATPで賄われているためそのような名称となっていますし、事実、「息を止める」動きやがあるのは確かです。
しかし、無酸素性運動を行う場合であっても、血管等への負担を考えて、呼吸は止めないようにしましょう。
力を入れるときに吐く、力を抜くときに吸う
当サイトのエクササイズの多く、例えば、カールアップで上体を起こす際やダンベルを上げる際などは息を吐きながら行うように紹介しており、多くの指導においてもそのようになされています。ヨーガやピラティスなど特別の呼吸法を使用する場合以外は定番と考えても良いと思います。
吐いてから吸う
ダイエットでの効能は別にして、もう吐き切る。力を入れて吐きって、そして吸うのが基本です。
そうはしても吐き出し切れない残気量が多く、これが新鮮な酸素濃度を薄めてしまいます。素早く、勢いよく息を吐くトレーニングと大きく息を吸い込めるトレーニングを日頃から取り入れてみてみましょう。
ランニングでの呼吸のリズム
基本は4拍子
普段の生活では呼吸は「スッ、ハッ」と1回づつ行いますが、ランニングの呼吸法は「スッスッハッハッ」(2回吸って2回吐く)という4拍子呼吸を基本で行い、呼吸でリズムを作って走ります。
4歩で1呼吸することになりますので、ランニング中のピッチは毎分180歩だとすれば、1分間あたり45回呼吸することになります。
遅いペースだと6拍子、速いペースだと3拍子
遅いペースだと4拍子では合わないので、「スースースーハーハーハー」という6拍子呼吸(6歩で1呼吸)。逆に速いペースだと「スースーハー」あるいは「スーハーハー」という3拍子呼吸(3歩で1呼吸)が合いやすいです。
6拍子呼吸の場合は「スー」「ハー」、4拍子呼吸の場合は「スッ」「ハッ」です。6拍子呼吸の際は深く呼吸を行うのがコツです。
「深く吸って深く吐く」
連続で吸う・吐くのが難しいという方は、「深く吸って深く吐く」という方法を試してみてください。「スーッ、ハーッ」とゆっくり呼吸するのがポイントです。
ただし、吸い過ぎると苦しくなるので、長く吸った分ちゃんと長く吐くように心掛けてください。
どうでしょうか?
この機会に、エクササイズ、トレーニングと体力に合わせた呼吸法で、充実したエクササイズを継続してください。