些細なことまで気配りを。3原則を順守し食中毒を防ぎましょう!

湿度が上がり、気温の変化が激しくなる梅雨の時期は、梅雨から夏にかけては細菌の増殖が活発になります。
これら細菌やウイルス、有毒・有害な物質がついた食べ物を食べることによって食中毒が発生し、主に、下痢、腹痛、発熱、嘔吐などの症状が起こります。

特に梅雨時期は、食肉に付着しやすい「腸管出血性大腸菌(O-157、O-111など)」や「カンピロバクター」、食肉のほか卵にも付着する「サルモネラ」による食中毒の報道が目立ってくる季節です。

厚生労働省では、食中毒菌を「つけない」「増やさない」「やっつける」」を食中毒予防の3原則として掲げ、具体的な方法として6つのポイントに分けて推奨されていますので是非参考にしてみてください。

食中毒をおこす主な細菌とウイルスの特徴

サルモネラ菌

十分に加熱していない卵・肉・魚などが原因となります。
生卵、オムレツ、牛肉のたたき、レバ刺し
乾燥(かんそう)に強く、熱に弱い特徴があります。
食後、6時間~48時間で、はきけ、腹痛、げり、発熱、頭痛などの症状が出ます。

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黄色ブドウ球菌

ヒトのひふ、鼻や口の中にいる菌です。傷やニキビを触った手で食べ物を触ると菌が付きやすくなります。そのため、加熱した後に手作業をする食べ物が原因となります。
おにぎり、お弁当、巻きずし、調理パン
この菌が作る毒素は熱に強く、一度毒素ができてしまうと、加熱しても食中毒を防ぐことはできません。
食後30分~6時間で、はきけ、腹痛などの症状が出ます。

腸炎ビブリオ菌

生の魚や貝などの魚介類が原因となります。
さしみ、すし
塩分のあるところで増える菌で、真水や熱に弱い特徴があります。
食後4時間~96時間で、激しいげりや腹痛などの症状が出ます。

カンピロバクター

十分に加熱されていない肉(特にとり肉)や、飲料水、生野菜などが原因となります。また、ペットから感染することもあります。
十分に火が通っていない焼鳥、十分に洗っていない野菜、井戸水やわき水
乾燥に弱く、加熱すれば菌は死滅します。
食後2~7日で、げり、発熱、はきけ、腹痛、筋肉痛などの症状が出ます。

腸管出血性大腸菌(O157、O111など)

十分に加熱されていない肉や生野菜などが原因となります。
十分に加熱されていない肉、よく洗っていない野菜、井戸水やわき水
菌には、O157やO111などの種類がありますが、十分に加熱すればふせげます。
食後12~60時間で、はげしい腹痛、げり、血が多くまざったげりなどの症状が出ます。
症状が重くなると、死ぬこともあります。

ノロウイルス

カキなどの二枚貝を生や十分加熱しないで食べた場合や、ウイルスに汚染された水道水や井戸水などを飲んで感染することもあります。
十分に加熱されていないカキ、アサリ、シジミ
熱に弱いので、85度以上で1分間以上加熱。食中毒にかかった人の便や、はいたものから感染することもあるので、さわったら石けんでよく手を洗います。
食後1~2日ではきけ、ひどいげり、腹痛などの症状がでます。

E型肝炎ウイルス

加熱不足のブタなどの肉や内臓を食べたことが原因となります。また、海外の地域によっては生水や生ものから感染する場合もあります。
十分に火が通っていないブタの肉やレバー
熱に弱いので、生食をさけ、中心まで十分に加熱すればふせげます。
ほとんど症状は出ませんが、一部の人は感染から平均6週間たつと、だるくなったり、ひふが黄色くなったり、発熱したりします。

食中毒予防の3原則と6つのポイント

買い物

・持ち歩く時間を減らすため、肉や魚、野菜などの生鮮食品を買う順番は最後にする

・消費期限などを確認し、購入する

・肉汁や魚などの水分がもれないようポリ袋にいれ、氷や保冷剤等をあてる

家庭での保存

・要冷蔵、要冷凍など温度管理が必要なものは帰宅後すみやかに冷蔵庫・冷凍庫に保存する

・肉や魚は他の食品に肉汁などがかからないようビニール袋や容器に入れる

・肉、魚、卵などを取り扱うときは、取り扱いの前後に必ず手指を洗う

・冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下に保ち、詰め込み過ぎない

下準備

・調理前に石けんで丁寧に手を洗う

・ラップしてある野菜やカット野菜もよく洗う

・肉、魚、卵を触ったら手を洗う

・冷凍食品は自然解凍を避け、使う分だけを冷蔵庫や電子レンジで解凍する

・使用後のふきん・タオルは熱湯で煮沸し、しっかり乾燥させる

・使用後の調理器具はよく洗い、熱湯をかけて殺菌する

調理

・調理の前に手を洗う

・肉や魚は中心部を75℃で1分間以上加熱する

食事

・食べる前に石けんで手を洗う

・清潔な食器を使う

・作った料理は室温に放置せず、すぐに食べるか、冷蔵庫に保存する(O157は室温でも15分から20分で2倍に増殖)

残った食品

・残った食品を扱う前に手を洗ってから、清潔な容器に保存する

・温め直すときも加熱は十分に。味噌汁やスープなどは沸騰するまで加熱する

・時間が経ちすぎたもの、少しでもあやしいものは捨てる

当然と言えるものばかりだと思います。

自宅で調理する機会が増えるのは様々な面から良いことだと思いますので、是非もう一度確認してみてください。

原則として全ての加工食品には、期限表示を記載することになっています。
これによって、その食品をおいしく食べられる期限を判断する目安となります。
その違いと言うと、

【賞味期限】
全ての品質が十分に保持しうると認められた期限で、比較的痛みにくい食品に表示されます。この期限を過ぎても必ずしもすぐに衛生上の危害が生じるわけではありません。
3ケ月を超えるものにつては「年月」で、それ以外のものは「年月日」で表示するようになっています。
例:スナック菓子、缶詰、ジュース、マーガリン 等

【消費期限】
腐敗などの衛生上の危害が発生する恐れがないと認められる期限で、痛みやすい食品(だいたい5日以内に悪くなるもの)に表示され、期限内に消費する必要があります。
「年月日」で表示され、弁当、惣菜は年月日に加えて時間まで表示することが望ましいとされています。
例:弁当、そうざい、調理パン、生めん 等

一旦開封してしまったら、表示された期限に関わらず早めに食べましょう!

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