ピラティスとは?
ピラティスとは,1920年代にドイツ人ジョセフ・ピラティスによってリハビリの一環として考案されたトレーニングで、体の内側、特に体幹部を支えているコアな深層部の筋肉に働きかけるエクササイズです。
これに対して、ウエイトトレーニングは、主に表層部の筋肉に働きかけるエクササイズともいえます。
ピラティスは、普段あまり意識しない体幹部の筋肉を長時間かけて、身体に負担をかけずにエクササイズすることで、柔軟性のある強くバランスが整った美しい身体を作ることができることから現在人気となっています。
また、ピラティスで特徴的なのが、呼吸法です。横隔膜を上下に動かし、胸から腰、背中まで行き届く感じで大きく息を吸い込み、お腹と背中で搾り出すようにゆっくりと息を吐きます。
ピラティスのエクササイズ中はこの呼吸法を繰り返します。ピラティスには、数百種類の動きがあると言われていますが、常に呼吸を意識したエクササイズを行うことで体の深層部の筋肉が鍛えられて美しい体が手に入るのだそうです。
ピラティスの基本姿勢と呼吸法
ピラティスの基本姿勢は、
ア.仰向けに寝て、膝が真っ直ぐ上を向くように立てます。
イ.左右の腰骨と恥骨でできる三角形の面が床と並行となるようにします。
ウ.肩の力を抜き、肩甲骨を安定させ、両方の手のひらは床につけお尻の横あたりに置きます。
エ.肋骨や背骨を広げるような意識をもちます。
オ.この体勢だと、普通は床と腰の間に手のひらが差し込める間隔ができると思います。
カ.鼻から大きく胸から背中、腰に行き届く感じで息を吸い込みます。
キ.今度はへそをくぼめるようにしてゆっくりと息を吐きます。
ク.へそと背骨を引上げるようなイメージで横隔膜を上げ、吐き出します。
これがピラティスの基本姿勢「ニュートラルポジション」です。
もう一つの基本姿勢は「インプリントポジション」です。
ニュートラルポジションだと、エクササイズ中に腰が反ってしまう場合があります。この場合はインプリントポジションで体幹部を安定させます。
インプリントポジションは、腹筋を使っておへそと背中を引き寄せながら、腹部が斜めのラインになるように腰をマットに近づけ、骨盤を後ろへ倒していく姿勢です。
ハンドレッド
ピラティスの数ある動き中で最も代表的な動きが、ハンドレッドです。お腹と背中から首までのエクササイズです。
ア.仰向けに寝て基本姿勢をとります。
イ.膝の角度の90度は維持したまま膝から下が床に水平となるようにします。
ウ.肩甲骨、首、頭を床から離して浮かせ、体幹を固定させます。
エ.息を吸いながら5回、吐きながら5回腕を上下に振ります。
オ.上記を計10セット行います。(5+5)×10=100(ハンドレッド)
ハンドレッドを行う際は、頭を浮かせるとき、顎を引き過ぎたり、肩や首に力が入らないように!
また、腕を上下に振る際も、頭を振ったりしての反動は利用しないことがコツです。
ブリッヂ
次はブリッヂです。
ア.基本姿勢をとります。
イ.膝の角度の90度は維持したまま膝を前方に傾けていきます。
ウ.そうすると自然に腰が浮いてきますので、腰骨と恥骨の体勢を意識したままアップさせます。
エ.腰骨、お尻、お腹、背中といった順にアップしてくるよう心がけてください。
ブリッヂの際の呼吸法は、アップダウンの際に息を吐きながら、トップにきたときに息をゆっくり吸い込むようにしてください。
ゆっくりゆっくりが基本です!
ハーフロールバック
しなやかな脊柱を創るのに適したハーフロールバックを紹介します。
ア.膝を立てて座り、両足は拳1つ分空けるくらいに!
イ.足の裏は浮かないようにしっかり床につけます。
ウ.上体はCの字に、そして、腕は床と平行に真っ直ぐ伸ばします。
エ.息を吐きながら上体を後ろに倒していき、45度まできたら、上体をとめて大きく深呼吸
オ.そして大きく息を吐きながら最初の姿勢にゆっくり戻します。
ハーフロールバックを行う際の注意点は、最初のCの字の状態を維持しながら、腹筋を意識するよう心がけてください。
1回のエクササイズで10回くらいを目処に行ってみてください。
どうだったでしょうか?
ピラティスでは、呼吸法とおへそ(ネーブル)から背骨(スパイン)に向かって力を入れるネーブルトゥスパインを常に意識していけばその効果が高まっていきます。
ピラティスは、激しい動きもなく、また、広いスペースも必要ありませんので多くの人が家庭でも楽しめるエクササイズではないでしょうか?
日頃はエアロビクスなどを行っている方でも体幹部の曲げ伸ばしをする機会はあまりありませんので、一度は楽しんでみてはと思います。
エクササイズ・動作は、多くの雑誌で紹介されていますので本を見ながらでも可能ですが、呼吸法だけはやはり、一度スタジオなどでレッスンを受けられた方が良いかも知れません。
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