水着は大きくわけて、競泳用、フィットネス用、遊泳用の3タイプがあります。
競泳用水着は、水泳での大会出場を目指すための水着です。
速く泳ぐために様々な工夫がされており、生地は比較的薄く、女性用はワンピースで体にぴったりとフィットし、生地表面への撥水加工がなされていることなどが特長です。
フィットネス用水着は、スポーツクラブなどで水泳やアクアビクスなどを楽しむための水着です。
生地は比較的厚めで、適度なフィット感で、女性用は通常、胸にカップが付いています。
ワンピースのほかにも着脱しやすいセパレートタイプや、ファスナー付き、袖付きなど様々なスタイルがあります。
遊泳用は、海水浴やレジャープールで着用するような水着です。
水泳を楽しむといった機能性の観点よりもファッション性が重要視され、ワンピース、セパレート、ビキニなどのスタイルも多様であり、リボンなどの装飾や色あいやデザインもカラフルです。
水着は一般的なウエアと違って、次のような特徴が求められます。
・伸縮性があること
第一に重要な条件は、伸縮性に優れていることです。
身体の動きに形を変え、水中で水の抵抗を少なくしてスムーズに泳ぐためには、身体と水着の間に隙間ができて水が入り込むと水の抵抗が増し泳ぎにくくなるため体にフィットした水着が必要です。
そのため素材の柔軟性は十分に確保されていることが重要となっています。
・速乾性があること
スポーツウエア全般に言えますが、まずは速乾性が高いことが重要です。水着は多くの場合水中で使われるので汗をかいていることがわかりにくいですが、しっかりと汗はかいていますし、また、水から上がってずっと濡れたままだと不快です。このことから速乾性が求められています。
・耐久性が高いこと
水中とはいえ身体の様々な動きがありますので、他のスポーツウエア同様に高い耐久性が求められます。
そのため、使われる素材は丈夫で管理しやすい合成繊維が好まれています。
ウールやコットンなどの天然繊維はほとんど使われていません。
水着では体にぴったりフィットする伸縮性の良さが最重要項目であり、その役割を発揮するのが5~8倍も伸びるゴムのような繊維であるポリウレタン繊維です。
多くの水着素材は、ポリエステルとポリウレタンという2種類の繊維で編まれています。
伸縮性が大きいポリウレタンを、ポリエステルとともに編みこむことで、伸び縮みする素材が生まれ、体にフィットする着用感が実現できます。
その中でもゴムのような伸縮性を持つポリウレタン弾性糸であるスパンデックスは、伸縮性はもとより塩素に強く耐久性にも優れている耐塩素高耐久性を持ち、併せて耐熱性があるので真夏の日差しにも強かったり、耐光性があって変色が起きにくい素材です。
ポリエステルよりも収縮性があるナイロンとポリウレタンを編み込んだ水着も出されています。
大まかには、競泳用水着は生地を薄くしたうえで収縮性を高めるため、ナイロンを使いポリウレタンの高め、フィットネス水着ではナイロンではなくポリエステルとのなり、ポリウレタンの比率は低くなっています。
遊泳用となると、素材も様々になりますが、収縮性への要求が低くなるのかポリウレタンの割合は更に低いものが多いようです。
・競泳用水着:ナイロン65%、ポリウレタン35%
・フィットネス水着:ポリエステル85%、ポリウレタン15%
・遊泳用水着:ポリエステル88%、ポリウレタン12%
水着の敵
プールの消毒剤として使われている塩素はポリウレタンが劣化させ、伸縮性の衰えて、生地が薄くなる、色あせるといった状態にさせます。
また、熱に弱いです。
そして、どうしても薄地の生地が使われていますのでひっかけ、摩擦には十分注意が必要です。
水着を着たときは
・日焼けオイルなどが水着に付かないようにしてください。
・すべり台や使用は、ざらざらしたプールサイドや砂などに座る場合は、摩擦熱で生地を傷めます。
・サウナ、温泉などでの着用は、熱で生地の劣化を早めます。
使用後は
脱いだら水道水ですすぎ、型くずれ防止のため、しぼらずにタオルなどで十分に水気を取ってください。
・濡れたまま長時間放置しないでください。
・乾燥機やヘアードライヤーで乾燥させないでください。
洗濯するときは
・洗濯機、脱水機、乾燥機、アイロン及び漂白剤の使用はさけてください。
・洗濯は中性洗剤で軽く押し洗いしてから十分にすすいでください。
・干すときは形をととのえ、必ず直射日光のあたらないところで陰干ししてください。
収納するときは
・高温多湿を避けて、防虫剤などの薬剤と接触しないように収納してください。
・パッド付水着はカップ部分に柔らかい紙や布をつめ、型くずれしないよう収納してください。
水着は薄くデリケートなウエアですので、大切に扱ってください。