マラソンを走ると出てくる「グロスタイム」や「ネットタイム」。結局、何が違って、どれが公式記録になるの? この記事で、タイム計測の基本ルールと、その使い分けをスッキリ理解しましょう!

競技の公式記録:グロスタイム (Gross Time) / ガンタイム (Gun Time)
- 計測起点: スタートの号砲が鳴った瞬間 (ピストルが鳴った瞬間)
- 計測終点: ゴールラインを通過した瞬間
- 主な特徴:
- 大会の公式記録として採用され、順位決定や公認記録の基準となります。
- 大規模な大会では、スタートラインに到達するまでのロスタイム(数十秒〜数分)が含まれます。
- 「ガンタイム」は号砲(Gun)が基準のタイムという意味で、グロスタイムとほぼ同義です。
重要ポイント! マラソン大会の公式順位は、原則としてグロスタイム(ガンタイム)が短い順に決定されます。
あなたの実力を示す:ネットタイム (Net Time) / チップタイム (Chip Time)
- 計測起点: ランナーがスタートラインを実際に通過した瞬間 (足につけたチップで計測)
- 計測終点: ゴールラインを通過した瞬間
- 主な特徴:
- ランナーが実際に走るのに要した時間であり、純粋な走力を表すタイムです。
- スタート時のロスタイム(スタートラインに到達するまでの時間)は含まれません。
- 「チップタイム」は計測用チップ(Chip)を用いたタイムという意味で、ネットタイムとほぼ同義です。
- 主に自己ベストや個人的な目標達成の参考記録として用いられます。
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タイムの種類と使い分け【まとめ】
| 種類 | 計測起点 | 主な用途・意味合い |
| グロスタイム (Gun Time) | 号砲が鳴った瞬間 | 公式記録、順位決定、公認記録 |
| ネットタイム (Chip Time) | ランナーがスタートラインを通過した瞬間 | 実際の走力、自己記録、参考記録 |
大規模大会で後方からスタートした場合、ネットタイムはグロスタイムよりも必ず短くなります。
よくある疑問:順位とタイムの逆転現象って?
公式順位(グロス順位)と、実際の走力に基づく順位(ネット順位)が逆転することがあります。
| 順位(グロス順) | グロスタイム (号砲~ゴール) | ネットタイム (スタートライン~ゴール) | ネット順位 |
| 1位 (Aさん) | 3時間00分00秒 | 2時間59分30秒 | 2位 |
| 2位 (Bさん) | 3時間00分10秒 | 2時間59分00秒 | 1位 |
- 公式はAさん1位: Aさんのほうが先にゴールしたため(グロスタイムが短い)。
- 走力はBさん1位: Bさんのほうが実走時間が30秒短く、純粋な走力で勝っている(ネットタイムが短い)。
なぜグロスタイムで順位を決めるの?
これは、マラソンが「一斉スタートし、先にゴールした者が勝者」という競技としての公平性を重んじているためです。
- 競技ルール: 陸上競技の国際ルール(WA/JAAF)で、公式順位は号砲を基準とするグロスタイムと定められています。
- 臨場感と運営: ゴールした瞬間の順位(フィニッシュ順位)がそのまま公式順位となるため、レースの臨場感が保たれ、運営も明確になります。
- 制限時間: 大会の制限時間も、号砲からの時間(グロスタイム)でカウントされます。
グロスタイムは「競技としての結果」、ネットタイムは「個人の走力」を示すものとして、それぞれ重要な役割を持っています。
自分の走力アップの参考にしたいならネットタイムを、公式な結果を知りたいならグロスタイムをチェックしましょう!