エアロビクスって何?どうやって始めるの?といった諸々の疑問を解決。そして、健康増進や弛んだ身体を磨き上げるためのエクササイズ、トレーニングの方法などを紹介しています。

水分補給

TriCraft:エアロビクス&フィットネス情報

汗はしっかりかきましょう! 

人の体温は、基礎代謝等によって身体から発生する熱と身体から逃げていく熱とがうまくバランスをとり、ほぼ37度 になるように調節されています。発生する熱としては、生命維持のための基礎代謝熱、スポーツ活動時の筋運動、ホルモン、細胞代謝などがあげられ、安静時は、肝臓、脳、腎臓などの内臓で熱が発生しますが、スポーツ活動時には筋運動で発生する熱が圧倒的に多くなります。

一方、逃げていく熱としては、身体各部位の熱は血液の循環によって体表に運ばれ、外環境と接触し輻射、伝導、対流などによって体外に放散される非蒸発性熱放散と体表面に分布する汗腺から汗が分泌され、汗の蒸発による蒸発性熱放散があります。 発生する熱と逃げる熱のバランスがくずれ、発生する熱が上回った場合、熱が身体に蓄積され体温が上昇し、逆の場合には体温が低下します。スポーツなどを続けると、筋運動によって発生する熱は安静時の10~15倍にも増えるといわれ、体温が上昇し、全く熱が逃げなければ、体温は30分後には40℃近くまで達してしまい、運動を続けられなくなります。

しかし実際には、汗が蒸発することによる蒸発性熱放散によって多量の熱が放散され、1℃程度の体温上昇にとどまります。このようなことから、夏など空気の温度が皮膚の温度より高い時、運動したとしても、外気の熱が体に流れ込み、運動により大量の熱が発生したとしても、汗が皮膚表面から蒸発する時、気化熱を奪って皮膚の温度を低下させますので体温を一定範囲内に維持することができるのです。100グラムの汗をかくと、それがすべて皮膚から蒸発したとして、1グラムの汗の蒸発は0.58キロカロリーの熱を奪うので、体重70キログラムの人では体温を約1度下げることができるといわれています。ただし、蒸発せずに体表面からポタ ポタとしたたり落ちてしまった汗は、本来の目的を達成できない無駄な汗となります。

水分補給

通常、成人の1日あたり必要な水分の量は、2,000~2,500cc、このうち、食事から約1,000cc、体内のエネルギー反応によって約300ccが生成されるといわれていますので、700~1,200ccを飲料水として摂取しなければならない計算になります。通常の日常生活を行うにもこんなに水分補給が必要ですから当然、スポーツを行えばそれ以上の水分を心がけて行う必要が出てきます。

春夏秋冬、大きな季節の変化がある日本において、安全にスポーツしていくためには、体調管理や天候等に十分配慮することは大前提ですが、しっかり体温と汗を管理していくことが大切です。 

しっかりと水分補給

スポーツ時は主に汗によって体温調節がなされていますが、その汗は汗腺から分泌されます。汗腺には腋の下などに局在するアポクリン腺と全身の皮膚表面に開口するエクリン腺とがあり、体温調節にあずかるのは水分を多く分泌するエクリン腺の方です。汗腺は視床下部の体温調節中枢に支配され、皮膚や脳からの温度情報を体温調節中枢が受け取り、中枢が暑いと判断すると、汗を出す命令が発汗神経を介して汗腺へ伝達され、汗腺から汗が分泌されます。

汗の成分の99%以上は水ですが、細胞や血液と同じように電解質や有機物も含まれています。汗の量が少ない場合は、汗原液中のNa+は皮膚表面に分泌されるまでに再吸収されますが、汗が多くなると再吸収されないNa+が増え、汗のNa+濃度が上昇します。汗を多くかいた時に電解質を含んだ飲料がすすめられるのはこのためです。

例えば、気温30℃を超えると1時間ほどのウォーキングでも1,000cc前後の発汗量になると言われており、競技によっては1時間に2,000ccにも及ぶことがあります。このような多量の発汗によって脱水が体重の2パーセント以上になると10パーセント程度運動能力が損なわれるといわれ、それ以上の脱水症状になると生命の危機にまで及んでしまいます。

したがって、運動中に汗によって失われた水分はしっかりと補給してください。水分補給の目安としては、このため8割程度を運動の前後・最中にとり、残りはその後の食事で補うのが現実的とされているようです。

なお、運動の強度と水分補給の関係は次のようになっていますので参考にしてください。

運動強度水分補給量の目安
運動の種類最大強度持続時間競技前競技中
サッカー、バスケットボール、トラック競技など75~100%1時間以内250~500ml250~1000ml/h
野球、マラソンなど50~90%1~3時間250~500ml500~1000ml/h
トライアスロンなど50~70%3時間以上250~500ml500~1000ml/h

近年の気象変化から夏場の運動と熱中症の関係は無視できないものとなっています。

熱中症のリスクの目安として、暑さ指数(WBGT)が運動環境の指針として有効であると認められ、日本スポーツ協会では「熱中症予防運動指針」を次のとおり公表しています。

気温WBGT熱中症予防のための指針
35℃以上31℃以上原則中止皮膚より気温が高くなり、原則運動は中止
31~35℃28~31℃厳重警戒激しい運動や持久走は避ける
28~31℃25~28℃警戒熱中症の危険が増すので積極的に休憩と水分補給
24~28℃21~25℃注意運動の合間に積極的に水分補給
24℃未満21℃未満ほぼ安全熱中症の危険は小さいが適宜水分補給

ここでは気温が25度を超えると注意が必要とされています。

25度といえば春先でもあるような気温ですので、思った以上に注意が必要といえます。

水分補給もエクササイズの一つであると認識して発汗の管理と熱中症の予防に努めましょう。