アロマテラピーとは?

現代の社会においては、毎日の生活の中でストレスや体の不調を感じている人は多いはずです。 こうした中、ハーブの心地よい香りで、心と体のバランスを整えるアロマテラピーが注目を浴びています。
このアロマテラピーとは、植物の花、果実、葉、小枝、樹皮、根、種などから抽出した100%天然のエッセンシャルオイルによって心や体の健康そして美容に役立てようという芳香療法のことをいいます。
アロマテラピーは、英語で書くとAROMA(芳香)+THERAPY(療法)となり、英語読みではアロマセラピー、フランス語読みではアロマテラピーとなり、日本ではアロマテラピーと翻訳された呼び方が一般的です。

アロマテラピーに使用する芳香植物は様々な力を持っており、古くからから医療や宗教の儀式の場、あるいは化粧品として使われてきました。古代エジプトでは、ミイラを作る時には防腐剤としてシーダーウッドオイルを使ったという記録が残されていますし、ツタンカーメンの墓には香りを放つ壺が多数見つかったことでも有名です。
近代にはいると、1928年、フランスの化学者ルネ・モーリス・ガットフォセが精油を用いた療法を「アロマテラピー」と名付け、研究内容を出版して、現代のアロマテラピーの歴史が始まりました。
1961年には、イギリスの生化学者のマルグリット・モーリーが精油を植物油に希釈して、マッサージする方法を編み出し、この研究内容の論文を出版して、美容やストレス解消・癒しを目的とするアロマテラピーが提唱されました。  その後、様々な分野で使用され、また、日本においても書物等で紹介され、大きな広がりを見せています。  

エッセンシャルオイルとは?

アロマテラピーで使用される精油はエッセンシャルオイル(ESSENCIAL-OIL)とも呼ばれ、それぞれの精油は長い歴史の中で、その芳香と薬理効果が認められた植物(ハーブ)の花、葉、茎、実、木などから抽出された濃縮の揮発性の芳香物質です。
約3,500種類あるといわれるハーブの中で、エッセンシャルオイルが採れるのは約200種類!それらの植物から抽出できるエッセンシャルオイルの量は限られており、1トンのラベンダーから約3リットルのエッセンシャルオイルしか採れませんし、ローズのエッセンシャルオイル1滴を採るのに必要なバラの花びらは約50本と言われています! 
アロマテラピーで使用するエッセンシャルオイルは大地が与えてくれた貴重な香りとも言えますね。

同じ植物でも、違う部位から抽出した精油は、それぞれ含有成分も違い、香りにも違いがあります。 例えば、オレンジ・ビターという植物から抽出した精油は、花、葉、果皮から精油が抽出され、それぞれネロリ、ペチグレン、オレンジ・ビターという名の精油となり、成分の性質や作用も違っています。 また、広く知れ渡っているラベンダーは多くの種類があり、その種類によって香りや成分が違っているものもあります。

エッセンシャルオイルの作用

様々な作用を持つエッセンシャルオイルは、どのようにして人体に作用しているのでしょうか? アロマテラピーにおいては、エッセンシャルオイルは、アロマポットなどを使った芳香浴をはじめ、蒸気吸入、スプレーなどによって間接的に香りを鼻から吸入して脳に働きかける方法と、入浴、湿布、マッサージなどによって皮膚から吸収させ、直接的に作用させる方法に分けることができ、それらは、大きく分けると次の3つにより人体へ作用しています。

●嗅覚を通しての精神・生理作用
香りの分子が鼻の奥の嗅上皮に達し、電気信号に返還され嗅神経を介して大脳へと伝わり、海馬、視床下部の脳下垂体へと伝達されます。自律神経、内分泌系、免疫系の大切なシステムを司る脳下垂体に香りのメッセージが届くと、それぞれの香りに対応した生理活性物質が分泌され、精神的・生理的に作用します。

●経皮吸収
皮膚の表面(表皮および付属器)から毛穴や汗腺、角質細胞を経て皮膚の深部にあたる真皮へと吸収され、真皮にある毛細血管やリンパ管などの循環器まで成分が到達し、有効成分は全身を巡る循環に乗ります。

●吸入による作用
呼吸と共に肺の肺胞から血管系へ入り、血流に乗って全身に作用します。
例えば、ラベンダーは、鎮静や弛緩効果がありますが、ラベンダーをお風呂に数滴入れて入浴すると、嗅覚を通してその香りが脳に伝わりストレスを鎮め、また、経皮吸収によって体に吸収された有効成分が筋肉の緊張をほぐしてリラックスさせてくれます。そんなことからラベンダーはストレスや不眠に効果があると言われています。

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エッセンシャルオイルの取扱い

エッセンシャルオイルは、オイル=油のようにベトベトとして粘り気のある液体ではなく、サラッとして大変揮発性の高い液体ですので、使う度にしっかりとキャップを閉め冷暗所で保管することが大切です。
また、エッセンシャルオイルは大変濃縮されたものなので、基本的に原液のまま使う事はありません。

そして、原液が肌に付いてしまった時は、ベースオイルか料理用の油でふき取るか、石けんで洗い流すかして下さい。水では洗い流せません。

そして、次の点に注意してください。
(1)精油は直射日光の当たる場所に置かない。色のついた遮光性のあるガラス瓶で保管。
(2)温度変化が激しい場所に置かない。風通しの良い冷暗所に置く。(20℃前後)
(3)原液、又は精油濃度が高い溶液は、プラスティック類を溶かすこともあるのでガラス瓶で保管する。
(4)精油は揮発性が高いので使用後はふたをしっかり閉める。
(5)精油の瓶は子供の手の届かない場所に保管する。
(6)精油は引火性があるので、火のそばには絶対置かない。
(7)瓶は横に寝かせず立てておく。(長時間精油をふたに接触させない) 

エッセンシャルオイルの抽出法

アロマテラピーで使用される精油はエッセンシャルオイル(ESSENCIAL-OIL)は、どのようにして抽出されるのでしょうか? 芳香植物や香りの性質や時代の流れによって多様な方法がありますが、主なものを紹介します。 

1.水蒸気蒸留法

芳香植物の葉、小枝、花などに下から水蒸気を通して熱すると、香りの成分が水蒸気とともに出てきます。 この蒸気は水とエッセンシャルオイルの混合物ですので、これを冷却すると比重の違いからオイルと水に分離します。エッセンシャルオイルは水よりも軽いので上に集まり、下に集まった水分もフローラルウォーターとして化粧水などに利用されます。 この方法は、効率よくオイルを抽出できますが、一度水蒸気を通しますので、ジャスミンなど熱に弱い芳香植物の抽出には向いていません。

2.圧搾法

オレンジやレモンなど柑橘系のエッセンシャルオイルを抽出する代表的な方法です。
柑橘系のエッセンシャルオイルは、基本的に果実の皮にオイルが含まれているため、また、柑橘系のオイルも熱に弱いので水蒸気蒸留法ではなく、皮を圧搾するか傷をつけるかしてオイルを取り出します。
昔は、人間の手で金属製の器具に実を当てて皮のオイルを絞っていましたが、現在は機械化されているようです。

3.溶剤抽出法

ジャスミンやローズなど水蒸気蒸留法では香りの成分が変化したり、香りが飛んでしまう芳香植物の場合この方法を採用します。 芳香植物を石油エーテルやヘキサン、ベンゼンと混ぜて撹拌した後、芳香植物やエーテルなどの溶剤を取り除きます。そして、アルコールを用いて抽出し、不溶成分やアルコール除去などの作業を重ねてオイルを取り出します。
溶剤抽出法によって抽出されたオイルはアブソリュートと呼ばれ、水蒸気蒸留法で抽出されたオイルとは区別されます。

4.油脂吸着法

油脂が香りを吸着する性質を利用した方法で、芳香植物を油脂に浸して香りを吸着させ、油脂が香りを吸収しきれなくなるまで次々と芳香植物を浸していきます。
吸収しきれなくなったらアルコールに混ぜてエッセンシャルオイルと脂肪に分離させます。
この方法は、人手と時間が非常にかかるため最近では殆ど行われていないようです。

5.二酸化炭素抽出法

原料となる芳香植物をパックして二酸化炭素を注入します。一定の温度まで温度を上げ二酸化炭素を気化させて芳香植物全体に行き渡らせます。
その後、二酸化炭素に高圧をかけ、二酸化炭素を液化させて香りの成分とともに抽出します。
その後、抽出したものを再び二酸化炭素を気化させて、エッセンシャルオイルだけにします。
この方法は、溶剤等を使用せず、また、低温で行うため香りの成分の変化が少ないという利点がありますが、設備の関係上、業者もまだ少なく、値段も高目となっています。

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