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あなたに必要なエネルギー量は?

あなたに必要なエネルギー量は?

肥満を一言で、「摂取エネルギーと消費エネルギーの収支関係が摂取エネルギー過多の状態。もしくは、その蓄積」と定義しましたが、それでは一体、摂取エネルギーはどのくらいが目安なのでしょうか?
現在では、下の算式で1日のエネルギー所要量が求められます。

●エネルギー所要量=1日の基礎代謝量×生活活動強度=基礎代謝基準値×体重×生活活動強度

性別・年齢階層別の基礎代謝基準値と生活活動強度を下記に掲載していますので、算出されてみてはと思います。

ちなみに、前記で身長160㎝の場合の標準体重は1.6×1.6×22=56.32kgとなり、67.584kg以上が肥満となるとしていましたが、この人物を30歳の女性で、一般的な主婦あるいは事務職であると仮定して、エネルギー所要量を計算してみましょう。

国民の大部分は下記に掲載している「生活活動強度Ⅱ(やや低い)」に該当し、一般的な主婦・事務職の方もこの分類に含まれますので、生活活動強度は1.5を適用することになり、標準体重(56.32kg)の方のエネルギー所要量は次のとおりとなります。

●エネルギー所要量=56.32×21.7×1.5=1833kcal

となります。

しかしながら、今日では生活活動強度は低下しており、国民の望ましい目標としては、「生活活動強度Ⅲ(適度)」とされていることから、理想的なエネルギー所要量は生活活動強度の倍数を1.5ではなく1.7を適用させた下記のエネルギー所要量と考えます。

●エネルギー所要量=56.32×21.7×1.7=2077kcal

チョッとだけ食べられる食事の量が増えたと喜んでいる方!当然のことですが、今以上運動などをして望ましいエネルギー消費を行わないと・・・・

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スポーツによるエネルギー消費量

今度は、どのような日常の活動やスポーツで、どのくらいエネルギーを消費するのでしょうか?
これまで、30歳の女性で、仕事は事務職、身長160センチ、体重は標準体重の56.32kgの方を例に目安の立ててきましたので、今回もこの女性を例に求めてみる事にします。前記のとおり、この女性の望ましいエネルギー所要量は2077kcalでした。
下の算式で活動・運動ごとのエネルギー消費量が求められます。(今回は1分間での消費量を求めます)

●エネルギー消費量=動作強度×(基礎代謝基準値÷1440)×体重

前記の基礎代謝基準は1日当りでの数値ですので、今回1分間でのエネルギー消費量を求める事にしておりますので60分×24時間の1440で割った1分あたりの基準値を使用いたします。
先ほどの女性が6時間パソコン等の事務をした場合のその仕事で消費するエネルギー量(1分当り)は、

●エネルギー消費量=1.6×(21.7÷1440)×56.32=1.357kcal

6時間に換算すると、

●エネルギー消費量=1.357kcal×60分×6時間=488.85kcal

となります。
また、この女性がエアロビクスの45分のレッスンを受けた場合のエネルギー消費量(1分当り)は、

●エネルギー消費量=5.0×(21.7÷1440)×56.32=4.243kcal

45分間に換算すると、

●エネルギー消費量=4.243kcal×45分=190.95kcal

となります。
動作強度の目安を下記に掲載していますので、算出されてみてはと思います。

つまり、動作強度の強いスポーツや日常生活活動を長時間行うと必然的にエネルギー消費量が増えることになりますが、心肺機能や筋力等を無視して無茶に行うと怪我の元です。
今回下記の動作強度の表を作成していて、思わぬ動作やスポーツが結構エネルギー消費しているのだなと改めて感じました。たとえば、掃除機を使わない掃除や雑巾がけ、布団の上げ下ろしなど、軽いスポーツと同等の消費量です。
日常生活の工夫一つでエネルギー消費量は増やせます。

 

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健康づくりのための身体活動

厚生労働省は生活習慣病の防止に必要な運動量の目安を示した「エクササイズガイド2006」を公表しました。

今回の指針においては、身体活動の強さを「メッツ」という単位で表してします。
この「メッツ」は座って安静にしている状態を「1メッツ」とし、身体活動が安静時の何倍に相当するかを示すもので、普通歩行は「3メッツ」に、ジャズダンスは「6メッツ」に、エアロビクスは「6.5メッツ」相当します。
そして、この運動の強さの単位である「メッツ」に実際の実施時間を乗じたものが、「個」とされています。
安静状態(1メッツ)を1時間で1個とし、例えば3メッツの普通歩行を1時間行った場合は、3個とし、6メッツのジャズダンスを1時間行ったら6個、30分行ったら3個とされます。
ただし、今回の指針において身体活動を実際に計算する場合は、3メッツ以上の運動や生活活動しか計算しないようになっています。(1メッツの安静状態を何時間続けても計算されません!)

今回の指針では、3メッツ以上の運動・身体活動を1週間に「23個以上」行い、そのうち「4個」は運動を含めるよう提言されています。

1個とされる運動・身体活動は下記のようになります。

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これらを1個として、1週間に23個以上実施すれば、消費エネルギーが増加し、身体機能が活性化することによって、糖や脂質代謝が活性化し、更には内臓脂肪が減少し、その結果、血糖値や脂質異常の改善、血圧の正常化により生活習慣病の予防につながるもとの考えられるとされています。

内臓脂肪減少のための身体活動量

また、今回の指針では、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の該当者や予備軍の方のための運動量について示され、その中で、腹囲1センチメートルの減少は内臓脂肪1キログラムの減少に相当し、その減少のためには、運動によるエネルギー消費量の増加や食生活によるカロリー摂取量の減少と併せて約7000キロカロリーが必要となってくるというものです。

つまり、1ヶ月かけて腹囲を1センチメートル減少させるためには、1日約230キロカロリーのエネルギー消費量の増加かエネルギー摂取量の減少が必要となり、今回の指針では、運動と食事改善の併用が効果的であるとされています。

また、「健康づくりのための身体活動量」として、週4個以上の「運動」が目標とされましたが、内臓脂肪の減少のための身体活動量には、週10個以上の「運動」が必要とされています。

目標設定のためのチェックシートを付けています。
1日あたり減少させるエネルギー量の試算してみてはどうでしょうか。

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